コラム一覧へ スダチ '11年 09月 15日
秋刀魚の塩焼きや松茸の土瓶蒸しに添えられている緑色のスダチを、ぎゅっと絞る。もちろんそのままでも秋刀魚や松茸はじゅうぶん美味しいけれど、スダチの手絞りは秋の味覚をより一層楽しむためのプロローグでもあります。


パッと広がるスダチの爽涼な香りは食欲をそそり、口に広がる酸味は食材の風味を引き立て、役目を終え器に残った小さなスダチもまた風情があります。名脇役とはこういうもののことを言うのだな、と、焼きたての秋刀魚を頬張りながらいつも思うのです。
そして日本人でよかったなぁとしみじみ感じる瞬間でもあります。


スダチは漢字で書くと「酢橘」で、スタチバナを短縮してスダチと呼ばれます。昭和8年に東京帝国大学の白井光太郎教授が学会で「スダチ」と発表して以来、英語でも「sudachi」学名でも「Chitrus Sudachi Hort (シトラス・スダチ・ホオート)」と呼ばれています。また、酸味の強いスダチが出回ると酢が不要になることから「酢を断つ」という説もあります。確かにスダチをかけると風味が増すため、塩分の多い調味料は要らないほど。お酢と同様減塩効果も期待できそうですね。

スダチはハウス栽培も含め、年間を通じ供給されていますが、もっとも香り高いのは8月から10月にかけて。この時期旬を迎える食材とは相性抜群です。徳島県で偶発実生したといわれるスダチ日本では古くから利用されており、同じように料理の香りづけに用いられるレモンに比べ、より日本料理に合う柑橘類として重宝されています。
全国生産量のうち98パーセントを原産地である徳島県が占めており、東部の神山町・阿南市・佐那河内(さなごうち)村などが主な生産地です。
JA全農とくしまでは、スダチ飲料や調味料の販売やスダチを使った料理教室、またマスコットキャラクター「すだちくん」や「すだち大使」によるPR活動にも力を入れています。すだち大使の選考基準は「健康的」と「さわやかさ」なのだそう。クエン酸含有量の多いスダチは疲労回復効果も高く、「美容と健康のビタミン」であるビタミンCやカルシウムも豊富です。ビタミンCは特に皮の部分に多いので、皮をすりおろして鍋物や麺類の薬味にしてもいいですね。

さて、スダチは果物として食べることはありませんが、他の果実と同様果実酒にすることができます。スダチ10個に対して氷砂糖100g、ホワイトリカー600mlを瓶に入れておきます。スダチ特有の強い酸味も時間とともにまろやかになり、2ヶ月くらいから飲むことができます。皮は渋みが出てしまうので、むいたほうがいいのですが、香りづけのために少量加えておき、後から取り除いてもよいでしょう。実を取り除いてさらに数ヶ月熟成させると口当たりが柔らかくなります。ロックや炭酸割りのほか、はちみつを加えると女性でも飲みやすくなります。


文:野菜ソムリエ 高野和子
アレンジ:国家検定一級フラワー装飾技能士 野田徳子


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