コラム一覧へ マンゴー '11年 10月 01日
チェリモヤ・マンゴスチンとともに世界三大美果と言われるマンゴー。
美果とは味のよい果実のことです。カロテンが緑黄色野菜に匹敵するほど豊富に含まれているマンゴーは、美味しいだけでなく食べた人も美しくしてくれる美果ともいえるでしょう。

一過性のブームで終わることも多い中、マンゴーはもの珍しいトロピカルフルーツから定番フルーツとしての地位をしっかりと確立したようです。



数年前、知事の知名度を生かしたPR作戦で宮崎県産マンゴーの需要が高まるとともに、他県産の生産量や国外からの輸入量もぐんと増加しました。この年をピークに輸入量は減少傾向ではありますが、加工品のプリンやジュース、キャンディ、また食品以外でもマンゴーの香りのコスメや生活雑貨など、現在でも多くのマンゴー関連商品が店頭に並んでいます。

さてマンゴーにはたくさんの品種がありますが、赤く卵型をした「アップルマンゴー」と黄色くペリカンの口ばしのような形をした「ペリカンマンゴー」に大別することができます。アップルマンゴーは「アーウィン」「ケント」「キーツ」といった品種があり、「アーウィン」は日本で最も多く作られているマンゴーです。ペリカンマンゴーは「カラバオ」が主力品種でフィリピンから多く輸入されるため「フィリピンマンゴー」とも呼ばれます。輸入マンゴーはフィリピン産以外ですとメキシコ産のシェアが多いのですが、メキシコ産はアップルマンゴーの「ケント」がほとんどです。その他タイや台湾、ブラジルからも輸入されています。

マンゴーは完熟するとすぐに果肉が柔らかくなってしまいます。そのため輸入されるものは未熟なうちに収穫し日本へ運んでから追熟を経て店頭に並びます。対して国産のものは木の上で完熟させてから収穫するので香りも甘みも強く贈答品としても喜ばれます。また日持ちの問題だけでなく、輸入マンゴーはウリミバエなどの害虫駆除のために蒸熱処理を行なわなくてはなりません。ウリミバエは日本にはいない害虫で、蒸熱処理はその上陸を防ぐために欠かせない工程です。(黄色く色づいたバナナも輸入してはいけないきまりになっています。)つまり国産マンゴーはそれだけ新鮮味があるということ。ただし国産のものは外国産に比べ高値で取引されます。それは管理に手間がかかるから。熱帯原産のマンゴーを露地栽培できる北限は沖縄ですが、雨が多いため実を成らすのが難しくハウスで栽培されています。通常ですと30メートルを超える大木になるマンゴーを、ハウスの中で小さく低く枝を伸ばし、ひとつひとつ育てているためどうしても国産のものは高値になってしまうのです。かつてメディアで宮崎県のマンゴー農家が盛んに紹介されていたのでご存知の方も多いと思いますが、マンゴーは完熟すると自然に実が落ちるので、実に袋をかけその中にポトリと落ちてきたものを収穫します。この様子から宮崎県では「太陽のたまご」、石垣島では「ポトリ果マンゴー」などのネーミングで販売され、ブランドフルーツとして認知されています。

マンゴーは中に平べったい大きな種がひとつあります。そのため切るときはこの種の平らな面と平行になるように包丁の刃を当て、種を避けるように3枚おろしのように切り分けます。小さな種がたくさん入っている果物に比べ切ってしまえば食べやすいマンゴーですが、都合がよかったのは人間だけ。植物は実を食べた鳥が糞をして種を遠くまで運ぶことで他の地域に広まっていきます。しかし、大きすぎる種を持つマンゴーでは鳥が媒介者になれなかったのです。
マンゴーは人から人へ、ゆっくりと時間をかけて世界じゅうに広まった果物なのです。

文:野菜ソムリエ 高野和子
アレンジ:国家検定一級フラワー装飾技能士 野田徳子



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