コラム一覧へ キャベツ '11年 03月 15日
生でも煮ても炒めても、和洋中エスニックいずれでも、調理法や国籍を選ばない万能さゆえ、食卓に欠かせない野菜として人々に親しまれているキャベツ。
一年を通じて店頭に置かれますが、春はふんわり柔らかく、冬はずっしり重量感があり、収穫時期によって特徴が異なります。



扁平の冬キャベツに比べ春キャベツは全体が丸く、持ってみると大きさのわりに軽く感じます。鮮やかなグリーンの外葉に包丁を入れると、手に伝わる感触がやさしく、切り離したキャベツの断面に目をやると、葉と葉の間にゆとりがあり巻きがゆるいのがよく分かります。

春キャベツは全体的に葉が柔らかいのですが、特に甘みの強い内側の部分をまずはそのままかじってみましょう。軽快な歯ごたえとともに、口いっぱいにほのかな甘みが広がります。内側よりも若干かたい外側の葉は、さっと炒めるのがおすすめです。緑色の濃い外葉には、カロテンが含まれており、油を使うことでさらに吸収率が上がるのです。春キャベツは縮みやすいので、大きめにカットするのもポイント。このとき内側の大きな芯の部分を斜め切りし一緒に炒めると、甘みと旨みも加わります。部位によって使い分けをすると、捨てる部分は一切ありません。

キャベツに多く含まれるビタミンCは加熱によって失われるので、生食向きの春キャベツはビタミンCを効果的に摂取することができます。またキャベツ特有のビタミンが「キャベジン」と呼ばれるビタミンUです。胃腸を保護し、荒れた胃壁を修復してくれるキャベジン、この名前からとった胃腸薬があるほどですから効果のほどもおわかりでしょう。

ところで欧米でも生で食べる習慣のなかったキャベツを千切りにして肉料理の付け合わせにしたのは、銀座の洋食店だといわれています。胃腸にやさしいビタミンUが豊富なキャベツと重いトンカツのコンビはとても理にかなった食べ方ですね。その他ビタミンK、カルシウムなども豊富なキャベツの原種は、青汁の原料のケールといわれています。キャベツは祖先にも負けず劣らずパワーのぎっしり詰まった野菜なのです。



文:野菜ソムリエ 高野和子
アレンジ:国家検定一級フラワー装飾技能士 野田徳子


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