コラム一覧へ パイナップル '11年 06月 01日
高校生のころ訪れたドールプランテーションでパイナップルを目の当たりにした私は、度肝を抜かれました。アロエのような大きい葉の上にパイナップルが鎮座していたのです。
四方に広がる剣のような葉はまるで「台座」。
なんとパイナップルは高い木になる実ではなく、草の実だったのです。



よく見てみると、硬い葉の軸の先端は、パイナップルのおしりにくっついています。つまり、実の上にも下にも葉がくっついているというなんとも奇妙な姿。「果物」の中には、リンゴやミカンのように木になるものだけでなく、イチゴやメロンなど草になるものもあることは、今の私にとっては「常識」ですが、このパイナップル畑での経験が「果物=木になる果実」の公式を覆す出来事になったのは間違いありません。
ちなみにパイナップルの硬い葉っぱですが、フィリピンではこの葉の繊維から織られた布を「ピーニャクロース」と呼び、礼服などに仕立てるのだそうです。なぜ礼服か。それはこの「ピーニャクロース」がとても貴重なものだから。ひとつの葉からほんのわずかしか取れない、シルクよりも高級な布だそうです。



ところで、酢豚にパイナップルが入っていると「おかずに果物だなんて!」と怪訝な顔をされる方もいるかと思いますが、実は理にかなった食べ方なのです。パイナップルに含まれるブロメリンというたんぱく質分解酵素により、肉が柔らかくなるのです。ただし加熱すると酵素の効果はなくなってしまうので、加熱処理された缶詰のパインでは肉を柔らかくできませんのでご注意くださいね。とはいえ、私も酢豚のパインはちょっと苦手・・・ジューシーな甘い果汁たっぷりのパイナップルをそのまま頬張るのが一番です。骨や関節を丈夫にするマンガンや、疲労回復に効果的なクエン酸を豊富に含みますのでお子さんのおやつにも最適です。

文:野菜ソムリエ 高野和子
アレンジ:国家検定一級フラワー装飾技能士 野田徳子


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